男性同性愛者の肛門に睡眠薬を突っ込み、眠っている間に貴重品を奪う-。このような犯行を何度も繰り返していた男が11月13日、昏睡(こんすい)強盗容疑で神奈川県警に逮捕された。被害の全容は明らかになっていないが、男いわく「覚えてないくらいの件数やった」。また、同じ日には、神奈川県内で初めて風俗営業の禁止地域で女性に性的マッサージをしたとしてマッサージ師の男が逮捕された。立て続けに県内で発覚した性にまつわる“珍事件”を紹介する。(田中俊之)
肛門に睡眠薬突っ込み眠っている間に… 男性同性愛者による昏睡強盗事件が起きたのは8月17日未明。容疑者として逮捕された男(33)と相模原市内に住む被害男性=当時(39)=は、男性同性愛者専門の出会い系サイトで知り合い、前日の夜が初対面だった。
8月16日夜、相模原市内の駅で待ち合わせ、被害男性がすぐに同市内の自宅に誘った。2人で家に入り、日付が変わってしばらくすると、“コト”が始まる。
男性は男に言われるがままに服を脱いで四つん這いに。すると、男性は肛門にローションのようなものを塗られ、何かを肛門に入れられる感触がした。そして、次第に意識が遠くなり、そのまま深い眠りに落ちてしまったという。
男性が目覚めたのは翌朝で、男は部屋からいなくなっていた。間もなく自分の現金約11万円と携帯電話がなくなっていることに気付く。
「盗まれた…」
男性はその日のうちに県警相模原北署に被害を届け出た。同署の調べで、男が肛門に入れたのは睡眠薬成分を含む薬物だったことが判明。同署は11月13日、昏睡強盗容疑で男を逮捕した。
「1年以上、分からないくらいやった」 男は容疑を認め、「ほかにもやった」と供述。捜査員が何件くらいか尋ねると「1年以上やっていて、件数は分からないくらいやった」と話した。肛門に睡眠薬を入れるという犯行の手口はインターネットで知り、薬の入れ方などの試行錯誤も繰り返したという。
同署の調べでは、少なくとも数十回にわたり同様の犯行に関与したとみられる。被害者は神奈川県内だけでなく、東京都や静岡県などにもいるという。ただ、同署幹部は「事案が事案だけに、言い出せない被害者もいるのではないか」と推測。男も「届け出しないと思った」と供述しているという。
パソコンや携帯電話が急速に普及し始めると、インターネットで同性愛者向けの出会い系サイトも登場。その結果、同性愛者同士で容易に出会うことが可能になった。しかし、それを悪用し、被害者を裸にして睡眠薬を入れるという大胆で悪質な犯行が繰り返されていた。
男が女性の下半身触って性的マッサージ 一方、男女間でも性にまつわる珍しい事件があった。風俗営業の禁止地域で個室マッサージ店を営み、女性に性的マッサージをしたとして、風営法違反(禁止地域営業)容疑で、横浜市中区のアロマセラピー店経営の男(51)が11月14日に逮捕された。この男は経営者であるが、マッサージ師として自ら客にマッサージしていた。
風営法違反容疑での摘発の多くは、マッサージ嬢が男性に性的マッサージをする場合だ。
男を逮捕した県警加賀町署によると、女性に性的マッサージを行った男が同容疑で逮捕されるケースは県内初で、全国的にも珍しいという。
捜査関係者によると、男は女性の要望に応じる形で女性の下半身を触る性的マッサージを行っており、男から提案する感じではなかった。リピーターもいたという。このようにマッサージ師の男が普通のマッサージからエスカレートして女性に性的マッサージを行う光景は、何もアダルトビデオの中の世界だけではなかったのだ。
実はこの男、風営法違反容疑で逮捕される前、マッサージと称して女性にわいせつ行為をしたとして10月末に準強制わいせつ容疑で逮捕されていた。マッサージを受けた女性(36)が被害を訴えて犯行が発覚。頼まれてもいないのに女性の下半身を触って「性的マッサージ」をやってしまったのだ。捜査関係者によると、男は「今後はまじめなマッサージをします」と反省しているという
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121201/crm12120118000004-n1.htm